暗黒館の殺人 (下)
2004年9月27日 読書
全体としての結論。
これが実験的作品だとしたら、半分成功。でも、残り半分は失敗。特にトリックが失敗で、読者を作品世界に引っぱりこむ点でも失敗。伏線はたくさん張ってあるようだけど、それが何か効果的かと言われるとかなり怪しい。
ただ、小説の世界が特殊な雰囲気を醸し出している点や、ある意味で新しい境地にチャレンジしたことは、賞賛しても良いかもしれない。
なんだか歯切れの悪い文章になっていることを自分でも感じる。それはなぜかというと、彼の新本格派としてのプライドからだったのか、彼は様々なヒントを小説の中に埋め込んでしまった。それは、うまく隠れていれば、あとから気が付いて悔しい思いをさせてくれることになる。ところが、やりすぎて隠しきれなくなってくると、逆にいろいろなことが見えてきてしまう。きっと読了した方は同じような感想を持った人が多いはずだ。「やっぱり」と。
推理小説を読むことは勝ち負けではない。でも、ミステリーの醍醐味は、”驚き”であるはず。
「へぇーっ、そうだったんだ」
「なるほど、こいつが犯人か」
それが言いたくて、ボクはミステリーを読んでいるような気がする。だから、作者にはドンドンと期待を裏切って欲しい。勝ち誇った顔でネタばらしをして欲しい。そして、このボクに「やられた」と言わしめて欲しいのである。
でも、この作品はそうではなかった。しかも、無駄に長く、下巻の途中からは、ただ作品世界に関する説明を聞いているだけになる。でも、そんなことを聞きたかったんじゃないんだな。そんな解説は、全体にちりばめて、少しずつ小出しにして欲しかったんだな。さもなければ、地の文とかで描写をする中に埋め込んで欲しかった。
ボクは今、とても悩んでいる。この本を再読すべきか、本棚に収めるべきか。全てがわかった上で、もう一度最初から読んだとき、その魅力が再燃するのであれば、この本は傑作であろうし、やっぱり「なんだ」という一言で終わるならば、完全なる失敗作である。ボクはそれを本当に見届けるべきなのか。そして、最悪の場合には、ブックオフという選択肢により、3千円の一部を回収することを検討すべきなのか。
これは、この本の題名だけを知りながら、中身を知らされないでいた期間があまりに長かっただけに、ボクにとっては非常に悩ましく、難しい問題であったりする。
これが実験的作品だとしたら、半分成功。でも、残り半分は失敗。特にトリックが失敗で、読者を作品世界に引っぱりこむ点でも失敗。伏線はたくさん張ってあるようだけど、それが何か効果的かと言われるとかなり怪しい。
ただ、小説の世界が特殊な雰囲気を醸し出している点や、ある意味で新しい境地にチャレンジしたことは、賞賛しても良いかもしれない。
なんだか歯切れの悪い文章になっていることを自分でも感じる。それはなぜかというと、彼の新本格派としてのプライドからだったのか、彼は様々なヒントを小説の中に埋め込んでしまった。それは、うまく隠れていれば、あとから気が付いて悔しい思いをさせてくれることになる。ところが、やりすぎて隠しきれなくなってくると、逆にいろいろなことが見えてきてしまう。きっと読了した方は同じような感想を持った人が多いはずだ。「やっぱり」と。
推理小説を読むことは勝ち負けではない。でも、ミステリーの醍醐味は、”驚き”であるはず。
「へぇーっ、そうだったんだ」
「なるほど、こいつが犯人か」
それが言いたくて、ボクはミステリーを読んでいるような気がする。だから、作者にはドンドンと期待を裏切って欲しい。勝ち誇った顔でネタばらしをして欲しい。そして、このボクに「やられた」と言わしめて欲しいのである。
でも、この作品はそうではなかった。しかも、無駄に長く、下巻の途中からは、ただ作品世界に関する説明を聞いているだけになる。でも、そんなことを聞きたかったんじゃないんだな。そんな解説は、全体にちりばめて、少しずつ小出しにして欲しかったんだな。さもなければ、地の文とかで描写をする中に埋め込んで欲しかった。
ボクは今、とても悩んでいる。この本を再読すべきか、本棚に収めるべきか。全てがわかった上で、もう一度最初から読んだとき、その魅力が再燃するのであれば、この本は傑作であろうし、やっぱり「なんだ」という一言で終わるならば、完全なる失敗作である。ボクはそれを本当に見届けるべきなのか。そして、最悪の場合には、ブックオフという選択肢により、3千円の一部を回収することを検討すべきなのか。
これは、この本の題名だけを知りながら、中身を知らされないでいた期間があまりに長かっただけに、ボクにとっては非常に悩ましく、難しい問題であったりする。
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