桃次郎の冒険

2004年11月23日
 教育テレビで午前中にやっていた劇団四季の『桃次郎の冒険』を見た。子供向けというだけあって、ストーリー的には単純だが、昔から童話や昔話が大好きなボクにとってはなかなか楽しめるストーリーだった。
 基本的な筋としては、鬼は別に悪いヤツではなく、桃太郎がやったことは単なる強盗で、おじいさんとおばあさんはただの欲深い人間だったりするのではないかということである。きっと、その発想の元には、この昔話が史実に基づいているのではないかと言う考え方が根底にあると思われるが、そういう意味では非常に同感であり、共感することができた。
 勝者から語られる物語には、必ずしも史実とは言えない、曲げられた事実が含まれていることが多い。そのことを考えてみる時、ボクは他人が語る言葉というものの真実性を、再度考えざるを得ない。あまり疑ってかかっても、なんだか世知辛くなってしまうのでイヤなのだが、でもだからとそのまま受け入れているわけにもいかないのである。
 本当の桃次郎の冒険は、鬼も人間も同じなんだ。分かりあえるんだということを、『すももも ももも』という歌に託し、「すももも ももも もものうち」なんだということで相互理解の大切さを訴える話である。しかし、ボクはそんな話を見ていながら、なんと作者の意図とは全く反対のことを考えてしまった。そういう意味では、きっとボクはもう既に少年の心を失ってしまったのであろう。残念!!

コメント