憲法義解

2004年11月29日 読書
ISBN:4003311116 文庫 宮沢 俊義 岩波書店 2000/00 ¥525

 こんな本を読んでみた。ここには2000年の本として書いてあるけど、ボクの持っている本には、「97年秋の復刊」と書いてあるから、もう一つ古いモノなのだろう。昔に興味をもって買ってはみたものの、やはり読み始めると面白くなくて、放っておいた本の一冊である。
 といっても、実は今もまだ読み終わってはいない。何しろ伊藤博文が書いたとかいうような本だから、漢字も旧漢字だし、送りがなも変なところに付いていたりして、非常に読みにくいったらありゃしない代物なのだ。しかも、「蓋し(けだし)」なんて言葉がしょっちゅう出てきて、気分はまるで漢文。だから、ちょっと気合いを入れて、腰をすえて読まないといけないような、とってもありがた〜いご本なのである。
 ところが、読み進めてみるとこれが結構面白いもんだったりする。何しろ、憲法といっても大日本帝国憲法の解釈を書いたものだから、古事記・日本書紀みたいな半分神話と化している世界を含めた日本史の話がバンバン出てくるのだ。
 何しろ、所有権の制限の話をしていたと思ったら、いきなり孝徳天皇が大化二年に、屯倉・田荘を廃して、隋・唐の制度を入れて班田の制をしいたなんて話が出てきたりする。ちょっと待ってよって感じでしょ。だって大化って、あの「大化の改新」の大化でしょ。ちょっとあまりにも現実味がなさ過ぎる話から入っちゃった感じだなぁ。ちょっと唐突なんじゃないの?と、今の人だったら言うんじゃないだろうか。
 まあ、そんな意味でも結構濃い本だし、大日本帝国憲法の解釈なんて、今さら知ったところでなんの役にも立たないから、あまりおすすめはできないのだが、とりあえず話のネタにはなるかもしれない。っていうか、話のネタにでもするしかないから、とりあえずここに書いてみたんだけどね……

コメント