05月06日付 日経新聞の報道「三越大阪店が閉店・315年の歴史に幕」へのコメント:

 かつて大阪に住んだことのある者としては、なんだか大阪の町がさびれていくようでちょっと寂しい。ただ冷静に考えると、三越についてはあの場所ではちょっと厳しかったかなという気もする。
 百貨店というものが存在意義を失い始めている今、その重要性は立地条件などを含めた、箱としての利用価値に移っている。そういう意味で、御堂筋ラインからはずれた立地条件では将来性に乏しく、利用価値としてもやはり低かったということになるだろう。
 これは東京においても同様のことが言える。たとえば、日本橋などは銀座・有楽町ラインと比較して、交通手段が地下鉄で、しかも他に映画館などの集客施設が何もないということから、集客力という面では難しい部分があるだろうし、他にいろいろな集客施設があっても買い物客を集めるという面では、アメ横や多慶屋などがある上野なども厳しいだろう。
 それにしても、百貨店というのは、いつからこんなに弱くなってしまったのだろうか。デパートに就職したなんていえば、結構偉そうにできたものだが、今やなんだか斜陽産業であるように感じられる。それでも大家として儲けられれば、それはそれでいいのだろうが、流通業ではなく、実質的には不動産業のような利益のあげ方をするようでは、もう「百貨店」とは言えないのではないだろうか。

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