ISBN:4061824007 新書 西尾 維新 講談社 2005/11/08 ¥1,134

 本屋で見つけて早速読了。

 結論としては、まあ、こんなもんじゃないでしょうか。個人的には、もうちょっと詳細に書いて欲しかった気はするけど、とりあえず終わったという感じ。ちょっとした物足りなさと終わったという満足感とが相まった複雑な読後感であります。

 読んでみて、きっと作者は世界を広げすぎたんだな、という印象を受けた。いろんなことに解答を出し切れないまま終わった気がする。これからまた外伝があるのか。それとも、今までに出したヒントから読者が想像することを望んでいるのか。どちらにしろ、普通の一般的な読者では、解答を知らないまま、または読み取れないまま終わったことが多いのではないかと思う。

 それを非難するつもりはないし、これはこれで良かったのだという気がする。多くの謎に対する解答編とはなり得なかったかもしれないが、シリーズ最終巻としての役割は十分に果たしている。だから、シリーズをずっと読んできた人には、やはりある種の満足感を与えてくれると思うし、逆に一つのミステリーとして完成度を求める人には多くの不満を与えるかもしれない。
 ボクはその両方をあわせて感じた一人ではあるのだが、とりあえずは読み終えて満足している。ただ、現段階では再読をする気はしない。これはシリーズ全体についてである。そういう意味では、ちょっとシリーズ全体の価値を低める最終巻になってしまった気がして、もうちょっと違う最終巻もあり得たのではないかと、少し残念な気もしている。

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