ウィニー事件、検察側も控訴 [朝日新聞]

12月26日付 朝日新聞の報道「ウィニー事件、検察側も控訴」へのコメント：

　ウィニーかぁ……
　この事件を最初に聞いたとき、まず僕が思い出したのは、FLMASKというソフトのことだった。事件の内容としては、全く違うのだが、何となく全体の構造が同じのように感じた。

　FLMASKというのは、昔あったモザイクソフトのことである。無修正エロ画像がインターネットで見られるというのが広まりつつあった頃、それにそのソフトを使えば簡単に戻せるモザイクをつけて、無修正ではないということで閲覧させていたのであった。
　それが問題となり、ソフトの作者は逮捕されちゃったわけだが、何が似ているのかというと、細部は異なるものの、要は広がり始めた違法行為に歯止めをかけたいor歯止めをかける努力をしていることを見せたい警察が、一番目立つやつを捕まえて、見せしめとしようとした感があること。そして、その一方で、現実世界はどんどんと進んでしまったことである。

　ここで難しい法律の議論をするつもりはない。ただ、僕が言えることは、FLMASKの作者の逮捕が、うるさいおばさま方に、無修正エロ画像を取り締まってますよという姿勢を示すために行われたのであれば、その効果はあったのかもしれないが、そのような画像を実際に広めないことを目的としてなされたのだとしたら、結果は見ての通りだ、ということだけである。

　今後、ウィニーの作者が無罪になる見込みは低いのかもしれない。しかし、これで著作権法違反のコピー行為がなくなるというわけでもないだろう。見せしめに一人をつるし上げることで、少しでも効果を上げたいという気持ちはわからなくもないが、そのためにその人の人生が狂ってしまうということも、少しは考えてあげてほしい気がする。