ISBN:4480063471 新書 パオロ・マッツァリーノ 筑摩書房 2007/02/06 ¥735

 なんか書店で人気があるみたいに書いてあったんで買ったんだけど、個人的には大ハズレ。何も得るものはなく、面白くもなく、なんだかよくわからない本だった。

 新書といえば、ある程度はきちんとした論説文のようなものを想像しがちであるが、そのわりには、どうも考えがあまりまとまっていない感じで、なんか書いてる人って頭が悪そう。本当だったら、もっときちんと『ツッコミ力』というのを書くべきだった気がするんだけど、書きたいことを適当にちりばめている感じで、それを伝えようという意欲が感じられない。きっと、この人は書きたいことを書き連ねていっただけなんだろう。だから、伝えるという気はあまりない気がする。

 それに、なんとなく面白く書こうという感じは伝わってくるんだけど、それがなんだか年配の教授が、「欧米のユーモアっていうのはね」とか、「そもそも笑いというのは……」とか教えながら、ギャグやダジャレを言ったりしているあの感じ。
 言いかえれば、笑いのとれないまじめな人が、笑いというものをまじめに研究して、「笑いとは、緊張の後にくる緩和である」みたいなことを論じた上で、こういう風にすれば理論的には笑いが起こるはずだ、ということで書いたようなイメージ。
 だから、面白がって欲しいんだろうな、とか、笑って欲しいんだろうな、といったことは感じるものの、なんか笑えないし、面白くもない。本当に読んでみて、「なんだかなぁ〜」というほかなかった。

 これって今も売れているのだろうか。題材と題名はいいと思うので、これをもうちょっとうまく書いたら、もっと売れると思うのだが、やっぱりこの人には無理なんだろうなぁ……

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