ISBN:4062705796 単行本 綾辻 行人 講談社 2006/03 ¥2,100
図書館で見かけて、思わず借りた本。単行本サイズなのだが、字が大きいこともあって、中身的にはすごく短くて、なんと1時間で読破してしまった。
この本は、子供向けに書かれたということで、普通のミステリーではないし、全体としての質というか、レベルもそれほど高くない。館シリーズの一つに数えることには反対しないが、やはり大人が読むには物足りなさを感じる。そういう意味では、最近の綾辻氏の館シリーズの伸び悩みにも通じるものを感じる。
ネタバレを避けるために、この作品の問題点を指摘することはしないが、それでもこの作品の性質や、最後のオチなどはいかがなものかと感じられた。犯人は読んでいればなんとなくわかると思うし、ボク自身もどうやってやったかといったところに主眼を置いて読んでいた。しかし、それに対する答えはあまりに稚拙に感じられ、また唐突にも感じられた。個人的にはもうちょっとキチッとした作りを期待していたし、納得できる最後を期待していたのだが、見事に裏切られた。
最後の終わり方も疑問を残すような終わり方で、この後どうなるのだろうといったモヤモヤ感がある訳だが、それがどのような世界観のもとで考えればいいのかがわからない分、より一層イライラさせられた。
そして、最後の作者による読者へのあとがきが、より一層ボクを失望させた。子供向けということを、作者がスランプの言い訳に使っているように感じられたからである。きっと、このネタを館シリーズとして大人向けに書くことはできないだろう。だからこその子供向けなのだろうが、それでも大人向けのネタを子供向けに使うくらいのことをして欲しかった。大人向けには使えないネタだから、子供向けということで使うというのではなく、そんな手抜きのない作品で勝負して欲しかった。そんな意味でも、ボクはこの本を読み終わって、なんかスッキリしない気分になったのであり、それが思わずこんなところに文章を書いている理由でもある。
図書館で見かけて、思わず借りた本。単行本サイズなのだが、字が大きいこともあって、中身的にはすごく短くて、なんと1時間で読破してしまった。
この本は、子供向けに書かれたということで、普通のミステリーではないし、全体としての質というか、レベルもそれほど高くない。館シリーズの一つに数えることには反対しないが、やはり大人が読むには物足りなさを感じる。そういう意味では、最近の綾辻氏の館シリーズの伸び悩みにも通じるものを感じる。
ネタバレを避けるために、この作品の問題点を指摘することはしないが、それでもこの作品の性質や、最後のオチなどはいかがなものかと感じられた。犯人は読んでいればなんとなくわかると思うし、ボク自身もどうやってやったかといったところに主眼を置いて読んでいた。しかし、それに対する答えはあまりに稚拙に感じられ、また唐突にも感じられた。個人的にはもうちょっとキチッとした作りを期待していたし、納得できる最後を期待していたのだが、見事に裏切られた。
最後の終わり方も疑問を残すような終わり方で、この後どうなるのだろうといったモヤモヤ感がある訳だが、それがどのような世界観のもとで考えればいいのかがわからない分、より一層イライラさせられた。
そして、最後の作者による読者へのあとがきが、より一層ボクを失望させた。子供向けということを、作者がスランプの言い訳に使っているように感じられたからである。きっと、このネタを館シリーズとして大人向けに書くことはできないだろう。だからこその子供向けなのだろうが、それでも大人向けのネタを子供向けに使うくらいのことをして欲しかった。大人向けには使えないネタだから、子供向けということで使うというのではなく、そんな手抜きのない作品で勝負して欲しかった。そんな意味でも、ボクはこの本を読み終わって、なんかスッキリしない気分になったのであり、それが思わずこんなところに文章を書いている理由でもある。
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