07月09日付 日刊スポーツの報道「偽装コロッケは32万個」へのコメント:

 肉なんて、混ぜてしまえばわからない。逆においしくなるくらい。
 しかも、馬肉だって、牛の脂を塗りたくれば牛肉になる。
 大腸菌が検出されても、生で食べる人なんていないし、どうせ加熱するから大丈夫。

 肉の専門家がそう言うんだから、きっと間違いないんだろう。
 実際、これまで何年もバレなかった。
 今回の件だって、アホな三男坊が役員たちとケンカしなかったら、こんなに明るみには出なかっただろう。
 ましてや、告発を受けた農水省や北海道の役人が、面倒くさがって調べないような状況ではなおさらだ。

 役人が告発を聞いても無視し続けたのは、仕事が増えるのが面倒くさいなんていう私的な理由だけではなくて、ミートホープの経営への影響や、それに伴う苫小牧市や北海道の経済への影響。そして、食の安全への信頼の破綻といった影響など、様々なことを考慮して、これをまともに扱うと大変なことになると思ったのかも知れない。
 しかし、食の安全を監視・監督する部署においては、まさにそう言った安全が守られているかどうかだけを考えて行動すべきであり、行動指針も食の安全が実際に守られている状況をいかにして実現するかという点に求められるべきだろう。そういう意味で、彼らの行動は大きく間違ったと思う。

 先日、ジョナサンの日替わりランチを頼んだところ、牛肉コロッケが出てきた。食べていると、中から何か噛み切れないものが出てきた。何かと思って見てみると、薄くカットされた楕円形の物体が出てきた。これは明らかに肉ではない。むしろ筋と言った方が正しいのではないだろうか。

 「もしかしたら、ジョナサンの牛肉コロッケもミートホープ?」

 そして、冷静に考えてみると、ミートホープは業務用もかなり作っていたことに気づく。確かに偽装が発覚してから、小売業界では製品が撤去されたという話を聞く。しかし、外食産業で仕入れてしまった牛肉コロッケを処分したという話は聞こえてこない。とすると、かなりの確率で、ミートホープの社長と同じく、もったいない精神もあって、そのまま客に出しているのではないかと思われる。

 また、ジョナサンの牛肉コロッケがミートホープ社製ではなかった場合。これはもっと怖いことになる。つまり、第二、第三のミートホープの存在が、示唆されているように感じるからである。そして、それが加ト吉やジョナサンといった、よく知られたブランド名に隠されながら、消費者のもとに届く。外食産業においては、消費者は知らないうちに食べさせられる。何とも怖いことではないか。

 最近、中国製の食料品についても、疑わしいことが知られてきている。そして、それに伴い、なぜか食の安全を脅かすものに対し、厳しい態度で臨もうとしない役人たちの姿があらわになってきている。

 企業というのは営利を追求するものであるから、例えば有名な外食チェーンが偽装コロッケを使っていたとなれば、イメージという点でも大きな経営的打撃を受けることになるし、実際に各店に配られた食材を廃棄するとなれば、それはそれで大変な損失になるだろう。直接・間接の経営的損害を考えれば、黙って使ってしまうというのが、経営判断としては取りやすい選択ではないだろうか。でも、だからこそそれを取り締まるべき存在が必要なのであり、そこに行政の存在意義があるはずである。

 全ての役人が悪いとは思わない。しかし、今出てきている結果を見れば、良い結果とは言えないことも確かであろう。ここは今回の事件を良い教訓として、役人たちには視点を変えて欲しい。そして、取り締まるべきところは厳しく取り締まって欲しい。社内で内紛が起こらない限り、不正が発覚しないような取り締まり体制では明らかに不十分である。今後、そういったところが是正されなくては、外食産業なんて怖くて使えないし、食材を買ってくるのでさえ、何を信じていいのかわからなくなる。
 今、日本の行政改革は、まだ途中かも知れない。しかし、過渡期だからといって、犠牲になるのは私たちである。本当に一日でも早く、この過渡期を脱出して、違反者には厳しい態度で臨める組織を作って欲しいものである。

コメント